将来のための投資あれこれ・たまにねこ

リタイア後のための資産形成をインデックス投資を中心にしています

投資はいつから始めるべきか

 投資はいつからはじめるべきでしょうか。若いうちに始めないと意味がない?

確かに70,80代で始めるのは、遅いというか、遺産相続目的とかでもない限り、あまり必要ないと思います。10年後、自分はどうなっているか?『まぁ、死んでる確率のほうが高いかな』と思う方は、もう投資なんて不要だと思います。投資なんか考えるより、身の丈にあった生活を送り、残りの時間をいかに有意義に過ごすか?を考えるほうが良い気がします。私も70、80になったら、後は淡々と資産を切り崩していくだけ。指数や株価の変動なんて、さほど見る気もないです。

それまで生きているか?はさておき。

 

 資産運用の期間が長ければ長いほど、複利の効果(投資は波がありますが、長い目でみれば資産は増えていき、複利の効果があるとして)が利く期間が長いので、投資を始めるのは早ければ早いほど有利になります。

 なので、いつ始めるべきか?の答えは、何年も前に流行った言葉『今でしょ!』が答えになると思います。

 

 では、いつが投資を始めるデッドラインになるのでしょうか。『人による』が正解かと思います。ただ、これだと何の考えもない気もするので、私としては、リタイア後の資産形成を目的とする場合、アラフィフくらいかなと思います。理由は以下の通りです。

 

株式の運用期間は20年は取りたい

ウォール街のランダム・ウォーカー』(バートン・マルキール)によれば、S&P500のような広く分散された株式投資の場合、下図のようになります。未来のことは分からないと言えど、15年長期投資すればマイナスになる可能性は低いと考えられます。

f:id:chiro-hyou:20210523124215j:plain

出展:ウォール街のランダム・ウォーカー(バートン・マルキール

 また、『株式投資』ジェレミー・シーゲルによれば、20年保有すれば、株式の実質利回りがインフレ率を下回ることはなかったとのことです。

f:id:chiro-hyou:20210523124748j:plain

出展:『株式投資・第4版』(ジェレミー・シーゲル)

 つまり、資産運用には最低20年は欲しいところです。資産運用に20年の期間を使うには、今後、平均寿命が延びて85歳で死ぬとすると、65歳で開始がデッドラインとなります。ですが、ここから資産形成を始める場合、65歳時点で投資に回せる額を全額投資し(少額投資で今後の生活を賄えるなら、そもそも投資する必要がないので)、初めて資産運用を始めるわけですから、精神的にかなりきついですし、リスクもあります。また、85歳で資産がピークになっても意味がないので、そもそもやる意味自体がないです。

 そのため、65歳より、10年、できれば15年くらい前には始めたほうが良いと考えると、50〜55歳くらいが投資を始めるデッドラインの気がします。もちろん、90、100まで生きて70くらいまでバリバリ現役で働くとかなら、この限りではないと思います。

 

50代はタネ銭が多く、入金力が高い

 タネ銭、入金力が高いほうが、当然、資産が増えるスピードが速いです。アラフィフくらいだと子供がまだ小さい方は難しいかもしれませんが、普通に考えると、50代は若い人よりタネ銭が多く、入金力が高いはずです。

 60代は入金力は高くても、給与所得や事業所得から投資というより、自分の資産の中から投資する形になる方が増えると思いますが、この場合、そのようなリスクをとる必要があるのか?、そのまま現金などの低リスク資産を保持しておくほうが良いのでは?となります。そのため、まだ稼げて収入が原資の入金力の高い50〜55くらいが投資を始めるデッドラインになる気がします。

 

経験がなくても大丈夫か?

 50歳くらいで経験がない中で始めるのは不安でしょうか。もちろん、投資の経験はあったほうがいいと思います。ビジネスの世界でも経験はあったほうが有利ですし。

 でも、世の中、年功序列はとっくに崩壊してますよね。実力主義。つまり、経験よりも、知識と自分で考える力が大事ということですよね。実ビジネスの世界がそうなっているのに、投資・資産運用の世界だけ、経験がそこまで大事なのでしょうか?

 そんな理由はないと思います。実際の投資経験はなくても、投資・資産運用に関する過去の情報はたくさんありますし、分析もされていて、書籍やネットでいつでも見れます。むしろ、情報が多すぎて、ちゃんと自分で考えて必要な情報を取捨選択する能力のほうが大事だと思います。

 経験も大事ですが、いろんな情報を理解し、自分に必要な情報を選択し、自分の目的を実現するにはどうすればいいかを、自分で考えることができるか?に尽きると思います。やってみないと分からないこともあると思いますが、投資の経験はなくても、実ビジネスの経験は多分にありますよね。これらの経験は投資の経験に勝るとも劣らないと思います。

 

結論:投資は早く始めるほうが良く、デッドラインは人によるが55歳くらいまで

 複利の効果を考えると、早く始めるほうが有利なので、なるべく早く始める。始める機会がなかった人でも、55歳くらいまでなら始めたほうが良い。それ以降に始める方は、自分の資産状況、健康状態、働く予定期間、今後見込まれる収入と支出など、各種要因を考えて始めないと意味がない可能性が高い気がします。

 ただ、この辺は結局、人によるな。。と思います。健康寿命が飛躍的に進歩する可能性もありますし。ただ、私自身は60過ぎて社会貢献できるアウトプットを出し続ける気力がないかもというのと、90,100まで生きれると思わないので、55歳過ぎていたら投資はしていなかったかな。。という程度です。